紳也特急 154号

~今月のテーマ『メールで成績アップ』~

●『こんな感想が』
○『携帯も立派なコミュニケーション手段』
●『援助交際の相談』
○『したいこと できること』
●『同情って何ですか?』
○『彼氏ができたときにしたいこと』
●『携帯が問題だから携帯は禁止でいいのか』

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●『こんな感想が』
 私は中学からとくに理由もなくただ暇つぶしで知らない人とセックスしていました。先生のおっしゃるとおり「誰かに必要とされていること」を感じたくてしてたんだと思います。何人とセックスしたのか、誰としたのか、コンドームを使っていたのか、ほとんど覚えていません。コンドームを使ったことも使わなかったこともありました。けど、子どもが出来たことはありません。腟外射精は避妊になっていないことは知っていました。なのに子どもが出来たことはない。
 私は性感染症にかかっているのかもしれない。私は妊娠できないのかもしれない。と、将来子供を産みたいと真剣に思うようになってからすごく不安を感じるようになりました。そんな心配をしているのにセックスをやめられません。しかし、先生の話を通して、性について真剣に考える勇気をいただきました。この先の人生を後悔なく暮らせるよう、今を生きます。
 私の話を聞いて今をどう生きるかを考えてくれるようになったのはありがたいですね。この感想を読んでいたら、ずっと関わっている女の子から「成績が上がった」といううれしいメールが届きました。そこで今月のテーマを、「メールが育む生きる力」としようと思いましたが、もっとシンプルに「メールで成績アップ」としました。

『メールで成績アップ』

○『携帯も立派なコミュニケーション手段』
 メール、それも携帯メールの弊害があちらこちらで言われています。確かに絵文字、びっくりマーク、(笑)、に加え、短いやり取りをしていることが利用者のコミュニケーション能力を低下させているのではないかという意見が少なくありません。何を隠そう、私もそう思っていました。また、講演の中で私も「返事が来ないのを5分と待てない若者がいる」ことだけを伝え、「変ですよね」と言いながら、「で、大人はどうすべきか」、「携帯と上手に付き合うにはどうすればいいのか」を伝えるどころか、「携帯を通して生きる力を育むにはどうすればいいか」といったアイディアは思いつきもしませんでした。これだけ携帯が問題になっているのに、それを否定するだけではない、「携帯の効果的な使い方」についての議論がほとんどありません。
 そんな中、私のホームページから寄せられる相談にはとにかくメールで寄り添うようにしていました。こちらの気持ちを押し付けず、「いいんじゃない いいんだよ」という感じでしょうか。「そんなことでいいの」と思う人もいるでしょうが、それ以上のことは思いつきませんでした。
 相談者とメールのやり取りをしているとある教育関係者に話をしたら、「教員は生徒とメールでの連絡をすることは厳禁なんです」と教えてくれました。あるカウンセラーの人には「相手の表情が見えない中で携帯でやり取りをするのはおかしい」と指摘されました。確かに携帯にはいろんな問題がありますが、携帯がコミュニケーションツールの一つになった今、携帯でどのようなコミュニケーションを図るといいかの研究があってもいいと思います。

●『援助交際の相談』
 「私は「自分はどんな人なのか」わからない時があります。好きでもない人と付き合ったり、知り合った初日にセックスしたり、それも普通です。セックスしたいと思うことはありませんが、セックスしたくないと思うこともありません。誰かが傍らにいてくれるってだけで、相手がヤりたいだけでも、とても安心できます。好きでもない人とセックスすることに抵抗がない私にとって、援助交際はとてもいいものです。楽しくはないけど、女子高生とヤりたいというオジサンはたくさんいるし、普通のバイトより全然お金がもらえます。1時間ホテルでヤることやれば2・3万、手に入ります。」
 こんなメールが来たら皆さんはどう返事をしますか。わたしが「したいことは何なの」と聞くと「お金稼ぎ」と返ってきます。そんな時に、そう言えば自分がしたいことは何か。今していることは何かを考えていました。

○『したいこと できること』
 皆さんは、いま、何がしたいですか。いま、何をしていますか。いま、何ができますか。去年から本当に土日もない生活をしていて不思議なことに気づきました。何と家の近くのスーパーにほとんど行っていません。車で移動することが多いのですが、家の周りを散歩することもなく、すっかり閉鎖社会の中で生きていることに気づかされました。で、どうやってストレスを発散しているのか。とりあえず買い物でしょうか。でも買い物に行っている暇もない。便利なものがありました。それがネット通販です。アマゾンもヨドバシカメラも配送料無料。ものによっては当日配達してくれます。気が付けば毎日宅急便の人が何かをわが家に届けてくれている。こんなストレス解消もあるんだと自分を振り返ってみて実感しました。
 「買い物しかできない自分」と「体を売ることしかできない彼女」のどこが違うのか、よくわかりません。二人がこのおかしな世界から出ていくためにはどうすればいいのでしょうか。

●『同情って何ですか?』
 「よく、同情はあまりよくない風に聞くことが多いです。「所詮、他人のことだ。でも気の毒だな」と思うことも同情でしょうか?他人のことでも、まるで自分のことと同じように思って心を痛めて、相手を気の毒に思い、でも同時に何もできない自分の非力さもどうかって、その人の悲しみに向き合えばいいのか、私にはわからなくなります。」
 これもまた難しい相談でした。でも自分自身も気が付けば「同情」はしているけれど、本当にその人の悲しみに寄り添うことはできないのだろうなと思います。実際、毎月宮城県女川町と岩手県陸前高田市に入っていますが、相談をされて、そう言えば自分は被災地、被災者の方に「同情」はしていないのだなと気付かされました。でも「できること」をしようとしています。「それはなぜ?」と聞かれても答えはありません。そんなやり取りの中から、相談者が何かを感じてくれたらありがたいし、私も答えではない何かを感じさせてもらっています。

○『彼氏ができたときにしたいこと』
 講演で女の子に「彼氏ができた時にしたいことをできるだけ書いてみてください」と呼びかけたら、次のように返事をくれた子がいました。
* 手をつなぎたい
* キスがしたい
* ギュッと抱きしめられたい
* 手料理をつくってあげたい
* 旅行とか、ドライブ行ったりとかして一日中二人っきりで過ごしたい
* 将来につながるような本気の恋愛がしたい
* 彼氏がつらい時に、支えてあげられるような女性になりたい
 このような質問を投げかける意図は、「セックスって書かないよね」ということを自分で感じて欲しいからでした。ところがよく考えてみるとこれは自分の中の引き出しを増やすトレーニングにもなるのですね。「そんなことをしなくたって人はいろんなことを考えているんです」と思った人もいるでしょうが、そういう人は今どきの若者の生活、思考パターン、学習方法を知らないと反省してください(笑)。
 こう書きながら思い出すのが医学部6年の勉強会での会話です。
岩室:何でこの病気はこうなるの?
友人:この病気はこうなると覚えればいい!!
 確かに彼の方が成績優秀でした。教育委員会の先生も、日本の勉強方法は「正解はこれ」で始まると教えてくれました。では、前述の女の子の「彼氏としたいこと」で正解は、すべき順番は何でしょうか。そんなのないですよね。

●『携帯が問題だから携帯は禁止でいいのか』
 援助交際をしているという相談メールをしてきた高校生の女の子と毎日のように半年以上にわたってやり取りをしていたら、100点満点で50点取れなかったのが、特別勉強をするようになったわけじゃないのに90点以上取れるようになったといううれしいメールが届きました。授業が分かるようになってきたとのことでした。どうしてかなと思った時に、メールのやり取りでの変化に気づかされました。以前は、
A子:援交ってどうしてしちゃダメなの?
岩室:援交とごまかさない。それって「売春」だよ。
A子:売春って何?
岩室:どうして「売春」という言葉をしらないの。
 こんなやり取りを、とにかく答えを与えない、というかこっちが彼女の発想がわからないから「どうしてそう考えるのか?」といったメールを気が付けば何百通とやり取りしています。最初の内は、どことなく考えることを拒否している、あるいは考えしたことがない感じで、感覚に任せて生きていたのを、少しずつ「どうして」って考えるようになってきたのかなと感じています。
 成績が上がったのを知って「よかったね。先生もうれしいよ」と返したら「どうして先生がうれしいのですか」と返ってきました。みなさんならどう返事をしますか。

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